メンタルを鍛えることは、仕事ができるようになるよりも重要だと言えます。
些細なことでメンタルを崩しているようでは、たとえ優秀で仕事ができても仕事で安定した成果を出し続けることはできません。
メンタルが強ければ、「不幸な出来事」や「他人から批判」があっても、動じることなく、前を向いて仕事に取り組んでいけます。前向きに仕事に取り組み続ければ、嫌でも経験が溜まり、能力が向上していき、安定して成果を出せるようになっていきます。
ここでは、メンタルを鍛えるためには「どのように考え、行動すればよいか」を紹介します。
まずは「メンタルを鍛える目的」から確認して、その後で「メンタルを鍛えるための思考・行動」を紹介していきます。
メンタルを鍛える目的
メンタルを鍛える目的は、悩んだり、落ち込んだり、不安になったりといったマイナスな感情を抱え込まず、自分がやるべきことだけに注力できるようになることです。
メンタルが弱いと、ちょっとした出来事で悩んだり、落ち込んだりします。将来に対して不安になることも多いです。
メンタルが弱い人の特徴を見ていきましょう。
- 他人から否定されると感情的になり、悲しんだり、怒ったりする
- トラブルに巻き込まれると気が動転する
- 人間関係で悩むことが多い
- 起きるかどうか分からない将来のことで不安になる
- 自分の外見や能力に自信がなくて落ち込む
仕事をしていると、色々なことがあります。顧客や上司から怒られたり、トラブルに巻き込まれたり、ミスをしてしまったり。
このようなストレスが掛かるような状況の時に、メンタルが弱いままだと、そのつど落ち込んだり、悩んだり、不安になったり、怒ったり、悲しんだりして、マイナスな感情を抱えることになります。マイナスな感情を抱えた状態では、仕事に集中して成果を出していくことが難しくなります。
メンタルを鍛えると、このようなことにはなりません。メンタルが弱い場合と逆の状態になります。
- 他人から否定されても、感情的にならず、自分の考えをしっかり相手に伝える
- トラブルに巻き込まれても、慌てず自分がやるべきことに集中する
- 人間関係で悩むことはほとんどない
- 将来に対して不安にならない
- 自分が持っているものに自信がある
メンタルを鍛えることで、得られることは計り知れません。仕事だけでなくプライベートでも、悩んだり、落ち込んだり、不安になることが少なくなり、自分が本当にやるべきことに力を注いでいくことができます。
メンタルを鍛えるためにどうするか?
ここから「メンタルを鍛えるためにどうするか?」を紹介していきます。
メンタルを鍛えるために「良いと言われる方法」は数多くあります。その中から「メンタルを鍛える目的」を達成するために必要なことを紹介します。
1.自分の価値観に従って行動する
自分の「正しいと思うこと」「やりたいこと」「優先したいこと」といった価値観を明確にして、その価値観に従って行動するようにします。
価値観が明確でない場合は、まずは「自分の価値観」を明確にすることから始めましょう。自分の価値観を知る方法は、インターネットなどで調べることができます。
「過去の経験で楽しかったことや嬉しかったこと、感動したこと」や「やっていて楽しいこと、好きでやりたいと思えること」を考えると、自分の価値観を知ることができます。例えば以下のようなものが考えられます。
- 人や社会に貢献したい
- 自分の能力を向上させたい
- とにかく楽しいことをしたい
- 困っている人を助けたい
- 家族と仲良く暮らしたい
- 仲間と力を合わせて何かを成し遂げたい
- 過去経験したことがないことにチャレンジしたい
価値観を明確にしたら、その価値観に従って行動するようにします。もしかしたら、今も既に価値観に従って行動できていると気づくかもしれません。
「自分の価値観に従って行動できている」と感じることが、メンタルを鍛えることにつながっていきます。
2.強みを活かす
次は「自分の強み」を理解して、強みを活用するということです。
人は誰しも強みと弱みがあります。自分の強みが何であるかを理解して、その強みを強化して活かしていくことが、仕事で成果を出すことになり、それがメンタルを鍛えることにもなります。
価値観同様、自分の強みを完全に把握できてない場合は、自分の強みが何かを知ることから始めます。
強みを知るには、「ストレングスファインダー」や「エニアグラム」などの診断により調べることができます。また、過去の経験を思い出し「うまくいったこと」や「楽しんで出来たこと」などから見つけ出すこともできます。自分の強みの例を挙げます。
- ポジティブに考えれること
- 話したり、書いたりすること
- 多くの人と仲良くなること
- 決断力があること
- 一つのことをやり続けること
- 集中して作業に取り組むこと
- 綿密な計画を立てること
- 戦略を立てること
- 人を育てること
ここで挙げたのは一例です。他にも強みになるものはいくらでもあります。
強みを把握できたら、その強みを活かしていくようにします。自分の強みを使って、今の職場で「どのように組織やメンバーに貢献できるか」「どうやって成果を出していくか」を考え、行動していくようにします。
強みを活かして働くことで、他人と比較して自分の能力が劣っていると悩むことが少なくなります。
3.コントロールできることだけ考える
自分がコントロールできることだけを考え、コントロールできないことは考えないようにします。コントロールできることとは「自分の思考・行動」です。コントロールできないこととは「他人の思考・行動」や「未来に起こる出来事」です。
自分でコントロールできる「どう考えるか?」「どう行動するか?」といったことだけ考えます。自分が行動した結果「相手がどう思い、どう行動するか?」「どんな結果になるか?」といったことは自分ではコントロールできないので、そもそも考えないようにします。
例を挙げます。例えば、仕事で取引先のAさんに提出した資料に誤りがあり、Aさんがひどく怒って「今後あなたの会社とは取引しない」と言ってきたとします。
この場合、自分がコントロールできることは何でしょうか?
- Aさんに対して、誠心誠意の謝罪をする
- 今後同様の誤りが起きない仕組みを考え、Aさんに説明する
- 自分の上司に報告して、今後の対応について相談する
といったことが考えられます。これとは逆に自分でコントロールできないことは以下のようなことが考えられます。
- 誠心誠意の謝罪をして、Aさんがどう思うか?
- 自分にできる限りのことをして、その結果どうなるか?
- この出来事に対して、どのような責任を取らされるか?
コントロールできないことを考え、悩んだり、落ち込んだり、不安になっても、状況はまったく良くなりません。それよりも、自分がコントロールできることだけを考え、行動することが、自分や周りの人に良い影響を与えることになります。
4.無駄な判断をしない
無駄な判断はしないと決めることです。
世の中には色々な人がいます。他人の目を気にする人/気にしない人、自分の意見をはっきり言う人/言わない人、よく考える人/考えない人など。
そんな中で私たちは「あの人は嫌い」「あの人がしたことは間違っている」「あの人はこういう人だ」といった判断をしています。
また、他人だけでなく自分のことも判断しています。例えば「私は人より見た目が悪い」「私は人より仕事ができない」「私は人間関係が苦手だ」などです。
自分の判断が必ずしも正しいということはありません。それは他人に対する判断も自分に対する判断も同じです。
自分や他人を否定するような判断は悩みを生み出します。正しいかどうかも分からない無駄な判断で、余計な悩みを生まないようにすることが大切です。
自分や他人を否定するような『無駄な判断』はしないようにします。
5.これからどうするかを考える
自分や他人を否定するのではなく、自分の現状に不満を持つでもなく、「これからどうするかを考える」ようにします。
前述のとおり、自分や他人を否定しても、悩みを生み出すだけで誰も得しません。また、自分の現状に対して「こんなに頑張ってるのになぜ評価されないのか?」「なぜこんなできない部下しかいないのか?」といった不満を持っても、現状が良くなることはありません。
現状をしっかりと理解した上で、これからどうするかを考えるようにします。
例を上げます。自分が担当している仕事で、部下のAさんがミスしてトラブルが発生したとします。その時、Aさんに対して「なんてことをしてくれたんだ」と怒ったり、「なんで無能な部下を任されてしまったんだ」と不満を持っても状況は一切良くなりません。
誰かを否定したり、現状に不満を持つのではなく「これからどうするかを考える」ようにします。「トラブルを解決するためにどうするか」や「Aさんや他のメンバーが同じミスを今後しないようにどういった対策をとるか」といったことを考え、実行していくのです。
他人を否定せず、現状に不満を持たず、これからどうするかを考えるようにします。
6.足るを知る
『足るを知る』ことが、メンタルを鍛えることになります。
人には欲があります。「今よりお金を稼いで裕福な生活がしたい」とか、「仕事で評価されて出世したい」など。
前向きな思いから出てきたものであれば問題はありません。しかしながら、現状に不満を持ったり、他人と自分を比べたりして「もっともっと」と現状に満足せずに求め続ける思いなら止めるべきです。
現状に満足することなく求め続ける思いは、悩みや不安につながります。
悩みや不安を持たないようにするには『足るを知る』ことです。現在「持っているもの」や「与えられているもの」に感謝して、満ち足りた思いを持つようにします。
- 平和で豊かな国で暮らしている
- 衣食住に困らずに生活できている
- 昔はなかったもの(車、エアコン、洗濯機など)を持てている
- 家族がそばにいてくれる
- 一緒に働いてくれる人がいる
- 仕事をしてお金を稼げている
足るを知り、現状や周りの人へ感謝する気持ちを持つことが大切です。
まとめ
はじめに書いたとおり、メンタルを鍛えることは、仕事ができるようになるよりも重要です。
悩むこと、落ち込むこと、不安になることがメンタルを崩す原因になります。悩まず、落ち込まず、不安にならないようにメンタルを鍛えていく必要があります。
今回紹介した「メンタルを鍛える方法」を実践することで、必ずメンタルは鍛えられていくはずです。