ここでは、緊張をコントロールするための方法を紹介していきます。
仕事をしていると、人前で話したり、急ぎの対応を迫られたときなど、緊張してしまう場面があります。
こういった緊張する場面では、緊張をしながらも、目的を達成していく必要があります。
緊張を完全に無くすことはできません。緊張とは自然現象であり、人間に元々備わっている機能の一つなのです。
「緊張を完全になくそう」という考え方ではなく、「緊張することは当たり前」という前提の上で、緊張し過ぎないように、どうやって緊張をコントロールしていくかを考えていきます。
なぜ緊張するのか?
そもそも人はなぜ緊張するのでしょうか?
人が緊張するのは、不安や恐怖に対する防衛反応であり、人間としてごく自然な反応です。「慣れていないこと」や「成功するかどうか分からない」ようなことをすると、不安を感じ、その不安が緊張につながります。
また、「人によく思われたい」という気持ちや「人に否定されたくない」と考えると緊張してしまいます。
緊張しやすい場面を考えてみます。
- 人前で話すとき(スピーチ、自己紹介など)
- 新しい環境に入ったとき(就職、異動など)
- 何かに追われているとき(トラブル対応、急ぎの仕事など)
- 苦手なことをしているとき(初対面の人との会話、車の運転など)
この中でも特に「人前に出て話すときに緊張する」という人が多くいます。
ここで知っておきたいことは、緊張するのは「普通」であるということです。人間としてごく自然な反応であるため、完全に無くすことは難しいということです。
問題なのは「過度な緊張」です。緊張し過ぎると、様々な異常が発生します。そのような状態では、自分本来のパフォーマンスを発揮することができなくなります。
緊張し過ぎるとどうなるか?
緊張し過ぎるとどうなるか?緊張しすぎると、以下のような状態になります。
- 頭の中が真っ白になる
- 声が震える
- 手や足が震える
- 口が乾く
- 顔が赤くなる
- 顔が引きつる
- 吐き気がする
- 動悸がして息苦しくなる
- 汗が出て止まらない
このような状態になった場合でも、その緊張をコントロールようにして、自分がやるべき目的を果たしていく必要があります。
次からは、「緊張をコントロールするためには何をすれば良いか」を紹介していきます。
緊張をコントロールする
緊張をコントロールするには、「緊張したときの考え方」や「緊張に対する捉え方」を変えていく必要があります。
ではさっそく紹介していきます。
1.緊張を受け入れる
緊張を完全に無くすことはできません。緊張するのは、人間にあらかじめ備えられている防衛本能であり「当たり前」のことなのです。まずは、これを理解することから始めます。
緊張を「当たり前」のものだと受け入れることで、緊張しすぎることを防ぐことができます。
また、緊張することにはメリットがあることも理解しておきましょう。緊張するとアドレナリンが出て、いつも以上の力を発揮することができます。
アドレナリンとはホルモンの一種です。アドレナリンが出ると心拍数が上がり、体内に多くの酸素を供給できるように血流を流します。これにより、いつも以上の力を発揮することができるのです。
まずは緊張を受け入れることが大切です。
2.感情を心の中で言葉にする
過度に緊張している場合、今の感情を心の中で言葉にします。そうすることで、緊張の原因となっている感情を客観的に理解することができます。
例えば、大勢の人の前で自己紹介をする場合を考えてみます。自分が自己紹介する順番を待っているときに、緊張しすぎて「手の震え」や「動悸」が出てきたとします。ここで、今の感情を心の中で言葉にします。
「大人数の前で自分のことを話さないといけないというプレッシャーでかなり緊張してきた。話す内容は決まっているけど、自己紹介でみんなに好印象を持ってもらいたいという思いが、過度な緊張につながってるのかな?」
このように、自分の感情を心の中で言葉にして、自分の感情を客観視することで、緊張は治まっていきます。
3.自分をよく見せようとしない
緊張しているときに、自分をよく見せようとすると、余計に緊張してしまいます。
緊張しすぎてうまくできずに、何とか挽回しようとして、さらに緊張する。といった悪循環に陥ってしまうことになります。
緊張をコントロールするには「自然体」である必要があります。
自分をよく見せようという「自分本位」な考えではなく、誰かに話をするシーンであれば「相手に伝える」ことを第一に考え、何かに取り組んでいる状況であれば「目的を達成する」ことを第一に考えるようにします。
自分をよく見せようと考えるのではなく、自分がやるべきことに集中するようにしましょう。
そうすることで、緊張が和らいでいきます。
4.相手に意識を向ける
緊張している時は、自分に意識が向いています。「うまく話せなかったらどうしよう」、「恥をかかないようにしたい」といったようにです。
緊張をコントロールするには、意識を自分ではなく「相手」に向ける必要があります。「どんな流れで話したら相手が理解しやすいだろうか?」、「どんなスピードで話したら相手が話を聞きやすいだろうか?」といったようにです。
たとえ緊張して声が震えても、汗が止まらなくても、顔が真っ赤になっても、相手のために、相手のことを考え、相手に向かって伝えるようにするのです。
その結果、緊張が和らぎ、さらには相手から好印象を持たれることになります。
5.目的を達成することに集中する
緊張をコントロールするには「これからやることの目的」に集中することが大事です。
人前で話す場合も、何か急ぎの対応をしている場合も、それをやることの目的があるはずです。例えば、人前で話すのであれば「自分の思いや考えが相手に伝わる」ことが目的になります。
緊張しないようにすることは目的ではありません。緊張して、不自然な状態であったとしても、目的を達成できればよいのです。
まずは、目的が何かを明確にして、
緊張を過度に恐れる必要はありません。緊張しないようにと考えるよりも、自分がすることの目的が何かを理解して、目的を達成することに集中するのです。
その結果、緊張は少なくなっていき、緊張することへの恐れも少なくなっていきます。
まとめ
まずは緊張することは「当たり前」だと考えるようにしましょう。その上で、緊張し過ぎないようにコントロールするのです。
緊張とは悪いものではありません。緊張することで人は力を発揮することができるのです。
まずは緊張を受け入れ、自分の感情を理解して、自分ではなく相手に意識を向けて、目標を達成することに集中するのです。
この考え方を取り入れて、緊張する場面の経験を積み重ねていくことで、必ず緊張はコントロールできるようになっていきます。
最終的には緊張することを楽しめるようになれば、人生は楽しくなっていくはずです。