【まとめ】伝わるように話す

カテゴリー別まとめ

『わかりやすく伝えたい』というのは、誰もが思ったことがあると思います。

伝えるスキルを学べる本も多く出回っています。

ここでは、本に書かれている内容から『これだけやっておけば、わかりやすく伝わる』という方法を6つ紹介します。

はじめに結論を言うと、わかりやすく伝えるために必要なことは『相手の立場に立ち、相手が聞きやすいように伝えること』です。ここで紹介する以下の5つの方法は、全てそのための方法です。

  1. 伝える目的を考える
  2. まず『これから何を話すか』を伝える
  3. 「結論」⇒「説明」の順番で伝える
  4. 「事実」と「意見」を分けて伝える
  5. 相手と歩調を合わせる

まずは、わかりやすく伝えることの必要性を考え、その後に方法を紹介していきます。

なぜ『わかりやすく伝える』必要があるのか?

なぜ『わかりやすく伝える』必要があるのでしょうか?

わかりやすく伝えることができれば、仕事を効率よく進めていくことができ、相手との信頼関係を築いていくことができます。

私たちは一人で仕事をしているわけではありません。上司や同僚、顧客や取引先の人など、様々な人と関わり合い、協力しながら仕事を進めていく必要があります。

わかりやすく伝えることができると、相手が短い時間で正確に情報を理解できます。このため、相手との意思疎通にかかる時間が短くなり、仕事を効率よく進めていけるようになります。

わかりやすく伝えることができると、意思疎通で相手に負担をかけません。このため、円滑にコミュニケーションが取れるようになり、相手との信頼関係を築いていくことができます。

どうやってわかりやすく伝えるか?

わかりやすく伝える方法を5つ紹介します。

1.伝える目的を考える

相手に伝える前に、そもそもの伝える目的を考えておく必要があります。

伝えることには必ず「目的」があります。例えば、以下のような目的が考えられます。

  • 上司に仕事の進め方を「相談」して、自分が考えている進め方で良いかを確認する
  • 上司に仕事の状況を「報告」して、上司に状況を把握してもらう
  • 部下に仕事を「依頼」して、部下に仕事を進めてもらう

これから相手に『伝えることの目的』を考えておくことで、伝える内容に軸ができ、目的に関係のない話をすることを少なくできます。

2.まず『これから何を話すか』を伝える

まず『これから何を話すか』を伝えるようにします。そうすることで、聞き手は「これからどんな話をされるのか」が分かるので安心します。さらには、話の構成をあらかじめ理解している状態で話を聞くので、理解度も高まります。

『これから何を話すか』を最初に言っておくと、聞く側も心の準備ができます。

伝える時間は『相手に自分のために時間を使ってもらう』ことになります。

相手のことを考え、まず『これから何を話すか』を相手に伝えて、相手が話を聞ける状況かを確認することが大切です。

以下のように『これから何を話すか』を相手に伝えます。

  • テーマは何か?(○○プロジェクトの進捗状況について/先日の○○社との打合せについてなど)
  • 話しの種類は何か?(報告/相談/依頼/質問/確認など)
  • 所要時間はどの程度か?(「1分程度で終わります」「30分程度話す時間が欲しいです」など)
  • 伝えたい要件がいくつあるか?(「確認が1件と報告が1件あります」など)

まずこれを相手に伝えて、今から話し始めても良いかを確認します。もし、相手が今は忙しくて聞ける状況でないのであれば、別途話すタイミングを確認して、後から話すようにします。

まず『これから何を話すか』を伝えて、相手に「心の準備」をしてもらってから話し始めるようにします。そうすることで『相手が聞くことの負担を減らし、話を理解しやすくする』ことができます。

3.「結論」⇒「説明」の順番で伝える

わかりやすく伝えるためには、まず「結論」から始めて、その後「説明」に入っていくようにします。

まず「話の目的地」である「結論」を伝えます。その後で中身である「説明」を伝えていきます。

聞き手は結論がわかった上で話を聞けるので、話を聞きやすくなります。話し手側も結論から始めることで、無駄がなく筋の通った話ができるようになります。

結論から伝えた場合の具体例は以下のとおりです。

「(結論⇒)既に解決済みですが、情報連係だけさせてください。(説明⇒)実は先日○○が発生しまして・・・」
「(結論⇒)顧客に出す謝罪文について、内容に問題ないかを確認させてください。(説明⇒)実は先日顧客からクレームが発生しまして、経緯としては・・・」
「(結論⇒)○○の仕事について対応をお願いします。(説明⇒)この仕事の目的は・・・」

このように結論から伝えて、その結論に至った「背景」や「理由」などを伝えていくようにします。

「結論」から「説明」の順番で伝えていくことで、相手は『結論として何が言いたいのか』が分かった上で話を聞いていくことになり、話の理解度が高まり、聞く際の負担も軽くなります。

4.「事実」と「意見」を分けて伝える

わかりやすく伝えるためには、「事実」と「意見」は分けて伝えるようにします。

「事実」と「意見」を合わせて伝えると、相手は内容を理解しにくくなります。相手が話の内容を理解するまでに時間がかかり、相手に多くの負担をかけてしまいます。

話の内容を正確に理解するには、「意見」ではなく「事実」が何かを知る必要があります。

まずは「事実」を伝えるようにして、最後に意見であることを明確にして「意見」を伝えるようにします。

「事実」と「意見」を合わせて伝えた場合と、「事実」と「意見」を分けて伝えた場合の例を見ていきます。

営業担当の部下が、上司から、他社への新商品紹介の状況報告を求められた場合を見ていきます。

「事実」と「意見」を合わせて伝えた場合は以下のとおりです。

上司:「昨日のA社への新製品の紹介どうだった?」
部下:「購入いただけるかどうかは分かりません。A社の田中部長、細かいんですよね。もう一回行って説明をすることになりました。新製品のことをもっと勉強してから、もう一回行く予定です。」
上司:「・・・(状況がまったく分からない)」

次に「事実」と「意見」を分けて伝えた場合は以下のとおりです。

上司:「昨日のA社への新製品の紹介どうだった?」
部下:「購入いただけるかどうかは分かりません。A社の田中部長にパンフレットで新商品を説明したら、『もっと新商品の詳細が知りたいので、もう一度説明に来てほしい』と言われました。おそらく、パンフレットの内容だけでは購入の判断ができないので、より詳細な情報で判断したいのだと思います。」
上司:「なるほど。では、次回は開発部門のメンバーを連れて田中部長に説明に行こう。開発部門長には私から応援要請をしておくよ。」

このように「事実」と「意見」を分けて伝えることで、相手は話の内容を理解しやすくなります。

「事実」と「意見」を分けて伝えることで、相手は『何が事実』で『何が意見』かをしっかりと理解した上で話を聞くことができます。

5.相手と歩調を合わせる

伝えたい内容を正確に理解してもらうには、一方的に話し続けるのではなく、話の途中途中で相手に『理解できてない点がないか?』や『疑問や質問がないか?』を確認することが大切です。

大抵の人は話を聞くのが得意ではありません。一方的に話をされると、途中で分からない点や確認したい点が出てきた時に、それ以降の話の内容が頭に入ってきません。

一方的に伝えるのではなく、相手との双方向のコミュニケーションを意識して、話の途中途中で止めて、相手に理解度や疑問点などを確認するようにしましょう。

例を出します。部下から上司に、上司へのプロジェクト状況報告の頻度を減らすように提案する場合を見ていきます。

部下:「○○プロジェクトの状況報告について、現在の週一回から月一回に変更させてもらえませんか?○○プロジェクトは現在あまり大きな動きはなく、課題や問題もあまり出ていないので、月一回の報告で問題ないと思います。それに私が他のプロジェクトでも忙しくて、できれば月一回にさせてもらいたいです。どうでしょうか?」
上司:「ちょっと待ってくれ。君が忙しいという状況は分かったが、本当に週一回から月一回の状況報告にして問題はないのか?今は私が週一回の状況報告で「進め方の方向性確認」や「課題や問題への対応検討」をしているが、月一回になっても問題ないか?それに・・・」
部下:「ええと・・・」

次に双方向のコミュニケーションを意識しながら伝えた場合を見ていきます。

部下:「○○プロジェクトの状況報告について、現在の週一回から月一回に変更させてもらえませんか?」(一旦間を置く)
上司:「ん?なんでだ?」
部下:「○○プロジェクトについては、現在順調に進んでいます。問題や課題も急ぎで対応しないといけないような内容もないので、月一回にしても問題なく進めていけると思っています。どうでしょうか?」
上司:「なるほど。今は週一回の状況報告で進め方の方向性検討もしているが、それも問題ないか?」
部下:「はい。これまでの状況報告で、進め方の方向性は明確になっているので問題ないと考えます。あと、別の△△プロジェクトの方が立ち上がったばかりなので、そちらに注力したいとも思ってます。」
上司:「了解。では基本的には月一回にしよう。ただし、急ぎの課題や問題が発生した場合は、臨時で状況報告を実施するようにしてほしい。」
部下:「はい、分かりました。ありがとうございます。」

このように、双方向でやり取りしながら伝えていくことで、相手は一つ一つの内容を理解して、疑問点を解消しながら聞いていくことができる。

伝える時には、一方的に話し続けるのではなく、話の途中途中で相手に「理解状況」や「疑問点の有無」などを確認しながら進めていきます。このように『相手と歩調を合わせて進めていくこと』で相手が話を理解しやすくなります。

まとめ

ここでは『分かりやすく伝えるため』に必要な方法を紹介しました。

それ以外にも、相手に分かりやすく伝えるためには『相手との信頼関係』『論理的な話し方』『伝えるタイミング』が必要です。

これらを理解した上で、今回の方法を意識して伝えるようにすることで、伝える力はどんどん向上していきます。相手との信頼関係を築くことができ、相手との意思疎通も的確かつ効率的に実施できます。

わかりやすく伝えるために参考になる本

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