「聞く力」とは、話を聞いて「相手が伝えたいこと」や「相手の気持ち」を理解する力である。
「聞く力」を鍛えることで得られる効果は大きい。例えば、以下のようなことが考えられる。
- 人間関係が良くなる
- コミュニケーション能力が向上する
- 人として成長できる
「良い人間関係を築きたい」「コミュニケーション能力を向上させたい」「人として成長したい」と考えるのであれば、「聞く力」を意識して鍛えていく必要がある。
「聞く力」は、いくつかのポイントを意識するだけで鍛えていくことができる。ここでは「聞く力を鍛えるためのポイント」をまとめている。
「聞く力」がないとどうなるか?
聞く力がないと「イタい人」になってしまう。相手の話を聞くことができず、自分の話ばかりをしてしまう人である。
「イタい人」になると、相手から以下のように思われてしまう。
- 自分の話ばかりする自己中な人
- 会話のキャッチボールができないコミュ障な人
- ただただ絡みづらい人
こんな状態では、良い人間関係は築いていけない。将来、誰からも相手にされず、ひとりぼっちの人生を歩むことになってしまうかもしれない。
「聞く力」があるとどうなるか?
一方、聞く力がある人は、相手から好印象を持たれ、信頼されるようになる。相手から信頼されると、自分の意見を相手に受け取ってもらいやすくなる。
聞く力がある人に対して、相手はどう思うのだろうか?
- 話をしっかりと理解しようとして聞いてくれる人
- コミュニケーションが取りやすい人
- また話をしたいと思える人
聞く力を鍛えて、相手からこのように思われる人間になっていきたい。
どうやって「聞く力」を鍛えるか?
聞く力を鍛えるために何をすれば良いのか?
ここでは聞く力を鍛えるために、大切なポイントを5つにまとめている。
1.相手に関心を持つ
相手に関心があると、話を真剣に聞くことができる。相手の話を真剣に聞くことで、相手が「何を思い」「何を望み」「何を伝えたい」のかを知ることができる。
話を聞くというのは、相手のことを理解するチャンスでもある。自分が知らないことを相手から教わるチャンスでもある。
相手に興味・関心を持たず、真剣に話を聞かないというのは、このようなチャンスをみすみす逃していることになる。
今一度、自分自身に問いかけてみる必要がある。家族や同僚、関わりのある全ての人に関心を持って話を聞けているだろうか?
もしも、問いかけへの回答が「No」であれば、これからは相手に関心を持つようにしよう。それだけでも、「聞く力」がどんどんと鍛えられていくはずである。
も、相手と話すときだけでも、相手に関心を持って話を聞こう。
2.聞くことに集中する
相手の話を聞いている時は、他のことは考えずに、聞くことだけに集中する。
自覚はあると思うが、人は集中して話を聞くことが苦手である。話を聞きながらも、自分のことを考えてしまう。
話を聞いているうちに、「次に何を話そうか」「私はこう思うな」といったことを考えてしまうのである。
「聞く力」を鍛えるには、聞いている時は自分のことは考えないようにする。話を聞き終わってから、自分が話すことを考えるようにする。
これによって、話を聞き終わってから話すまでに間があっても問題はない。相手からしたら、話を真剣に聞いてくれていると感じるからである。
3.理解するために質問する
話をただ聞いているだけでは、相手のことを理解することはできない。
聞くだけでなく、相手への質問をしながら、相手の話を理解しようとする必要がある。聞くことは、相手を理解することが目的である。
そのためには、内容が理解できなかったり、詳細を知りたい場合は、躊躇なく相手に質問するのである。
話を聞き、相手を理解するための質問をする。そして、相手からの答えを聞く。この繰り返しによって、相手が伝えたいこと・思っていることを理解していく。
ただ聞いているだけでなく、都度質問をすることで、相手は自分の話を真剣に聞いてくれていると感じるのである。
4.相手の意見を否定しない
相手の意見が自分の考えと違ったとしても、頭ごなしに否定するのはよくない。あくまでも相手の意見として、受け入れるようにするのである。
当然ではあるが、誰もが同じ考えを持っているわけではない。相手には相手が正しいと思うことがある。
話を聞いている中で、引っかかる意見があったとしても、相手はそう思っているのだと考え、最後まで話を聞くようにする。
何度も書いてきたが、話を聞く目的は「相手を理解すること」である。相手に対して自分の意見を押し付けることが目的ではない。
自分の意見を伝える必要があるのなら、まずは相手の話を最後まで聞く。そして、相手の思いを理解した後で、自分の意見を伝えるようにする。
自分の意見は、相手の意見を聞いて理解した後で、必要があれば伝えるようにすればよい。
5.相手への思い込みを捨てる
相手への余計な思い込みは、相手の話を聞くうえで邪魔になる。
「この人は性格が悪い」「この人は物事を深く考えない」といった思い込みを持って話を聞くと、相手の話を素直に聞くことができない。
また、普段から一緒にいる時間が多い家族や友達には、相手のことを分かった気になってしまう。
このような思い込みがある状態で話を聞いてしまうと、相手の「今、思っていること」「今、伝えたいこと」を正しく理解することができなくなる。
話を聞いている時は、相手への余計な思い込みは持たないようにする。そして、目の前にいる相手の話を真剣に聞くようにする。
まとめ
良好な人間関係は「信頼」から始まる。聞く力を鍛えることで、相手を理解でき、相手からの信頼を得ることにつながる。
まずは、相手の話を最後までしっかりと聞き、相手を理解しようとする。自分のことを理解してもらうのは、その後である。
聞くことの目的は「相手を理解すること」である。そのことを忘れず、「聞く力」を鍛えていけば、やがては聞き上手になり、どんな環境であっても良い人間関係を築いていけるようになっていく。